2006年 12月 11日
12月10日(日)停止せよ と 脳は叫んだ その1 |
日曜日。
ぼくは6時半過ぎに起床。自宅で勉強。
カミさんはとある資格の2次試験で7時半に我が家発。
娘は9時に友だちと遊びに出かけるのだが、自転車がパンク。
ということで、友だちにも協力してもらい、娘とその友だち、そしてぼくが自転車を押しながら駅の向こうの自転車屋さんへ。
店が開いていない場合の決まり事があって、その手続きをし、娘にこのくらいあればいくらなんでも大丈夫、と3000円を渡して別れる。
帰宅。そしてぼくは9時57分発で、休みの日恒例のLSDへ。
きょうは漠然と30キロ走ろうかな、と言う感じで家を出る。
2週間ぶりのコースを、足を前に出すことを意識しながらゆっくりと走リ始める。
大きな街道を5キロほど走って左折、しばらく走ると自転車道にぶつかる。そこを右へ曲がる。
途中の公園を一周してみる。そして公園を出てふたたび自転車道を多摩湖へ向かう。
かなり急な坂道を登り、ふだんは、見晴台まで行って、多摩湖、そして対岸の西武園遊園地を見て、坂道を降りるのだが、きょうは距離を稼がなければならないので、まだ走ったことのない、その先を走る。
もみじや楓、ともかく落ちた葉が道を覆っていて、すり足のように走ると落ち葉を引き連れて走っていくようなイメージ。
先週気がついたのだが、この自転車道には100メートルごとに里程標?が埋め込まれている。そこで100メートルを手元の時計で測ってみる。そうするとおよそ36秒くらい。
1キロ7分でいままで、換算して走っていたのだが、
100メートル36秒と言うと、1キロが6分。
ムム。するってぇと・・・と脳が計算を始める。
さっきまで、キロ7分で計算していた脳は、6分に置き換えて計算を始め、少し負荷がかかり始めてきた模様。
しかも腕に巻いている安物のデジタル時計にはストップウォッチの機能があるのだが、マニュアルを読んでも要領を得ないため、ただの時計と変わらない。
出発したのが9時57分30秒で、これまで脳は、7分後の10時4分30秒を1キロ、その7分後の10時11分30秒を2キロ・・・と計算していたのだが、
「ムダでした。これからは1キロ6分で計算をお願いします。10キロは出発した9時57分30秒から60分後なので、10時57分30秒となります」
という指令を受けて、プスプスと音を立て始めた。
途中で引き返し、再び時計を見ると、11時半。
今までの経験から言えば、ここからまっすぐ走って帰ったとして、12時半。30キロ(3時間走るとすると途中で小金井公園に寄ればおおよそそのくらいってことかなぁと脳はプスプス言っている。
すると
「テーピングでごまかしている左の甲の裏あたりの部分の痛みが少し気になるぞ」
、と脳がぶつぶつ言い始め、
「黒爪化している右足の指にも少し違和感が」
と囁きもする。
今回の東京マラソンに備えた一連のLSDで、きつくて走れないということは今までにはなかったのだが、脳からはひっきりなしにノイズが発生している。
大丈夫大丈夫とぼくは脳に声をかかける。
すると脳はしばらく静かになる。
「いやぁ、文句も言わず走れるのは20キロまでだよ」。
思いついたように脳が主張を再開。
「きょうは日差しもきつい。水分の補給も考えないとまずいのではないか? 」
「昨日のジムでもかなり追い込んだじゃないか」
「20キロ走れれば、本番では、あと半分は周りの刺激を受けて、勢いで走れるよきっと」
いつになく能弁なのだ。
「わかったよ。ともかく2時間までは耐えてくれ。後はぼくが責任を取るよ」
とぼく。
「いや、それから15分を超えれば、今回のLSDでは最長の距離になるんだからね」。
脳は静かになる。
ところがだ、時計が12時を示したとたん、
ぼくの意思とはまったく別に体が止まった。
ぼくは一瞬吃驚して、あわてて、体を再起動させた。
脳が体の隅々に指令を出したんだ。きっと。
あと10分走ろうよ。あの駅までたどり着けば、そこで考えよう。
そして、12時10分。ぼくが懇願しても、背中を押しても、慰めても押しても、くすぐっても、ともかく脳は走るという行為を止めることを決意してしまった。
止まってしまった直後は、まだ半そで、短パンの体はポカポカしていたが、日陰に入るとさすがに12月の天気だ。そこからおよそ45分ほど歩いて、何とか家にたどり着いた。
ぼくは6時半過ぎに起床。自宅で勉強。
カミさんはとある資格の2次試験で7時半に我が家発。
娘は9時に友だちと遊びに出かけるのだが、自転車がパンク。
ということで、友だちにも協力してもらい、娘とその友だち、そしてぼくが自転車を押しながら駅の向こうの自転車屋さんへ。
店が開いていない場合の決まり事があって、その手続きをし、娘にこのくらいあればいくらなんでも大丈夫、と3000円を渡して別れる。
帰宅。そしてぼくは9時57分発で、休みの日恒例のLSDへ。
きょうは漠然と30キロ走ろうかな、と言う感じで家を出る。
2週間ぶりのコースを、足を前に出すことを意識しながらゆっくりと走リ始める。
大きな街道を5キロほど走って左折、しばらく走ると自転車道にぶつかる。そこを右へ曲がる。
途中の公園を一周してみる。そして公園を出てふたたび自転車道を多摩湖へ向かう。
かなり急な坂道を登り、ふだんは、見晴台まで行って、多摩湖、そして対岸の西武園遊園地を見て、坂道を降りるのだが、きょうは距離を稼がなければならないので、まだ走ったことのない、その先を走る。
もみじや楓、ともかく落ちた葉が道を覆っていて、すり足のように走ると落ち葉を引き連れて走っていくようなイメージ。
先週気がついたのだが、この自転車道には100メートルごとに里程標?が埋め込まれている。そこで100メートルを手元の時計で測ってみる。そうするとおよそ36秒くらい。
1キロ7分でいままで、換算して走っていたのだが、
100メートル36秒と言うと、1キロが6分。
ムム。するってぇと・・・と脳が計算を始める。
さっきまで、キロ7分で計算していた脳は、6分に置き換えて計算を始め、少し負荷がかかり始めてきた模様。
しかも腕に巻いている安物のデジタル時計にはストップウォッチの機能があるのだが、マニュアルを読んでも要領を得ないため、ただの時計と変わらない。
出発したのが9時57分30秒で、これまで脳は、7分後の10時4分30秒を1キロ、その7分後の10時11分30秒を2キロ・・・と計算していたのだが、
「ムダでした。これからは1キロ6分で計算をお願いします。10キロは出発した9時57分30秒から60分後なので、10時57分30秒となります」
という指令を受けて、プスプスと音を立て始めた。
途中で引き返し、再び時計を見ると、11時半。
今までの経験から言えば、ここからまっすぐ走って帰ったとして、12時半。30キロ(3時間走るとすると途中で小金井公園に寄ればおおよそそのくらいってことかなぁと脳はプスプス言っている。
すると
「テーピングでごまかしている左の甲の裏あたりの部分の痛みが少し気になるぞ」
、と脳がぶつぶつ言い始め、
「黒爪化している右足の指にも少し違和感が」
と囁きもする。
今回の東京マラソンに備えた一連のLSDで、きつくて走れないということは今までにはなかったのだが、脳からはひっきりなしにノイズが発生している。
大丈夫大丈夫とぼくは脳に声をかかける。
すると脳はしばらく静かになる。
「いやぁ、文句も言わず走れるのは20キロまでだよ」。
思いついたように脳が主張を再開。
「きょうは日差しもきつい。水分の補給も考えないとまずいのではないか? 」
「昨日のジムでもかなり追い込んだじゃないか」
「20キロ走れれば、本番では、あと半分は周りの刺激を受けて、勢いで走れるよきっと」
いつになく能弁なのだ。
「わかったよ。ともかく2時間までは耐えてくれ。後はぼくが責任を取るよ」
とぼく。
「いや、それから15分を超えれば、今回のLSDでは最長の距離になるんだからね」。
脳は静かになる。
ところがだ、時計が12時を示したとたん、
ぼくの意思とはまったく別に体が止まった。
ぼくは一瞬吃驚して、あわてて、体を再起動させた。
脳が体の隅々に指令を出したんだ。きっと。
あと10分走ろうよ。あの駅までたどり着けば、そこで考えよう。
そして、12時10分。ぼくが懇願しても、背中を押しても、慰めても押しても、くすぐっても、ともかく脳は走るという行為を止めることを決意してしまった。
止まってしまった直後は、まだ半そで、短パンの体はポカポカしていたが、日陰に入るとさすがに12月の天気だ。そこからおよそ45分ほど歩いて、何とか家にたどり着いた。
by peace_tess
| 2006-12-11 16:40
| diary